ヤリタナゴ


環境保全型農業用水路に戻り始めた水生昆虫たち
                         やりたなごの会 掛川優子

発 表 要 旨

 2002年、群馬県藤岡市で県営藤岡南部土地改良事業が開始された。
事業面積
125ヘクタールの内15ヘクタールは、
湧水地でヨシが茂る湿地が点在し、湧水の流れる土水路にホトケドジョウやマツカサガイが普通にみられ、
春にはカワヂシャやミゾコウジュの花が咲く野原が田畑の中にあった。
事業の中で、これらの生物を保全するために
環境保全型の農業用水路(以後環境水路)を敷設することとなり、
2007年春に環境水路が完成した。
地元からの要望でこの維持管理(除草作業)のためにやりたなごの会をスタートさせ、
草取り作業の傍ら2015年から水生昆虫の生息調査を始めた。

 その結果、122125種類を確認した(201710月現在)。
確認された種は、主にコガタシマトビケラCheumatopsyche brevilineataであったが、
水田地帯のため池や土水路で報告のあるホタルトビケラNothopsyche ruficollis
セグロトビケラ
Limnephilus fuscovittatusやトウヨウカクツツトビケラ Lepidostoma orientale などもみられた。

 また、2017年にはフロリダマミズヨコエビCrangonyx floridanus、と
外来種と思われるカワリヌマエビ属の一種Neocaridina sp.の侵入が確認された(表1

 やりたなごの会ヤリタナゴ